こんにちは。
COCOPORT豊中スタッフのHです。
今回は最近、読んだ本を紹介致します。
今年でユニコーンは再結成から10年、ドラムの川西さんが60歳、現メンバーで制作されたアルバム「服部」から30周年ということで10+60+30=100周年という、お目出たい年でした。
そんな名盤「服部」制作の裏側を検証する本、『ユニコーン「服部」ザ・インサイド・ストーリー』の感想です。
私は音楽や映画の作品の裏側を検証する本がとても好きなのですが、久しぶりに、読み終わるのがもったいなく感じるぐらい、早く読み終わりました。
決して、ボリュームがないというわけではございません。
デビュー当時、今では考えられないような、クールな路線で順調に人気を高めていたユニコーンがなぜ、このような独自路線に切り替えたのか、なぜ、このようなチャレンジをレコード会社が許したのか、ファンはどう受け止めたのか、メンバー、当時のスタッフのインタビューも交え描かれています。
アルバム「服部」の評価、感想は今さら、書くまでもないですが、この日本のロック史に残る名盤の誕生の裏で起こっていたことを知り、驚いたのは、メンバー、スタッフの肩の力の抜け具合でした。
これだけ大胆な作品ですが当事者たちは「やってやろう」といった熱や意気込みはなく、「おもしろそう」といった、現在のバンドのムードにもつながる温度感で制作したことが、よくわかります。
もちろん、作るうえで戸惑う部分はあったようですが、前の二枚のアルバムに戻るようなことはしない、安全な方向に逃げないというのはさすがで、誰も真似のしようのないアルバムだな、と改めて感じました。
当然のことながら、こういったチャレンジはメンバーの技術、知識だけではなく、プロデューサー、ディレクターなど多くの裏方の人々が関わっていることを知れるのも、こういった検証ものの本の面白さです。
レコード会社も寛容だったんだな、と思います。バンドブーム、CDの売り上げは伸び盛りという背景もあったのかもしれませんが、こういったチャレンジが許されるのはすばらしいことだと思います。リアルタイムで、この変化を目の当たりにした当時のファンが羨ましいです(私は、このアルバムが発売した頃、生まれ)。
単なる「いい曲」を作るだけでは飽き足らず、一ひねりも二ひねりもさせる、ストイックさに満ちたテーマを自らに課したバンドが長続きはするわけないか、と一度目の解散は必然だったなと思える部分も当時のメンバーの発言から伺えます。
その分、再結成後もコンスタントに活動し続けているのは、感慨深いです。
「服部」を聞かずして、この本を読んでもな、と思う部分もありますので是非、「服部」を、そしてユニコーンを聴いてみてください。
今、見てもかっこいい当時の「服部」
テッシーが細い。
「服部」収録曲ではないですが、年末ソング、「雪が降る町」を。
ユニコーンでの動画がなかったので民生ソロバージョンで。